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省庁 厚労省 自治体インセンティブ案を提示

財源の捻出方法が新たな論点に

厚生労働省は11月10日、社会保障審議会介護保険部会(部会長=遠藤久夫・学習院大学教授)を開催し、来年度から実施する、自治体への財政的インセンティブの評価指標案を示し、おおむね承認された。改正介護保険法で自立支援・重度化防止に取り組んだ自治体に対して評価を行う。財源は介護保険の「調整交付金」の使用目的の変更で捻出する考えを提示したが、新たな財源確保を求める自治体や介護保険事業者から反対意見が続出した。

指標案は市町村向け59項目、都道府県向け20項目。内容は介護度改善などのアウトカム評価も一部含まれるが、多くはストラクチャ指標やプロセス指標を組み合わせて評価する。

指標案の中で、アウトカム評価である介護度改善に関しては、要介護状態の維持・改善の状況を把握するため(1)要介護認定の一次判定で用いる「要介護認定等基準時間」の一定期間の変化率の測定(2)一定期間の介護度認定の変化率を測定する――の2項目に分けた。

介護度の変化に関しては、「(特養など)介護度改善での評価は、重度者には向かない」などの慎重論もあり、「改善」の多さではなく、「悪化」の少なさを評価することについても検討する。改善に至らずとも「維持」できた層の評価となりうる。

また、専門職との関わりについても評価する。福祉用具については▽地域ケア会議の構成要員としてリハビリ専門職を任命し、会議の際に福祉用具貸与計画もあわせて点検▽福祉用具専門相談員による貸与計画の作成時に、リハビリ専門職が点検する仕組みがある▽貸与開始後、用具が適切に利用されているかをリハビリ専門職が点検する仕組みがある――などの案が示された。

指標案では介護予防・日常生活支援総合事業の周知や生活支援サービス創設の有無、「在宅医療・介護連携推進事業」の在宅医療・介護連携の課題抽出と対応の協議、在宅医療・介護サービスの情報の共有支援など、これまで国が自治体に求めてきた取り組みが含まれる。

都道府県向け指標案では、管轄の市町村の認定状況などのデータや、地域課題を把握し、効果的な支援を行っているかを評価する。

当日はインセンティブ評価の財源のあり方についても議論。財務省が10月25日に開催した財務省財政制度等審議会で、後期高齢者人口が多く、運営が厳しい自治体の格差是正のための介護保険「調整交付金」(介護保険事業費の5%=約5000億円)の一部を活用すべきとし、その手法も、これまで通り交付金を配分したあと、全国自治体を再評価して、取り組み結果に対する評価の低い自治体から減額して再プールするディスインセンティブの導入も検討すべきとの意見が提起されている。

これに対し、自治体や介護保険事業者、利用者代表の委員からは反対意見が続出した。

小規模自治体では、交付金の減少分を埋めるため介護保険料を引き上げるなどの対応も考えられ、影響が広がることを懸念する声などがあった。全国市長会と全国町村会は「調整交付金を活用して介護保険者に更なる財政的インセンティブを付与するとの国の提案は、到底、容認できない」との意見書を提出した。

<資料>
高齢者の自立支援、重度化防止等の取組を支援するための交付金に関する評価指標(案)、市町村向け指標(案)

(出典:シルバー産業新聞)
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